Realistic Virtuality

現実的な仮想性: 伊藤隆介/制作の周辺

予言的?なもの(2)

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梅津薫先生の作品に現れる「断層」とは、眼で見た「断層」ではない。報道などで目にする、現実の断層の図像(上の写真)は判りづらい。
それに対し、梅津先生が描かれるのは、地震などの際に我々が「連想する断層」、もっと解りやすく言うと、科学的理解というか観念としての断層に近いと思う。

まぁ、「断層を描いてみる」という発想自体が、芸術家しか持ち得ないものだと思うのだが。
(つづく)

予言的?なもの(1)

2月に、同僚…というか職場の大先輩の退職記念の展覧会にうかがった。
札幌時計台ギャラリーの2フロア4展示室に渡る、画家・梅津薫先生の大規模な個展は、少年時代から65歳まで「表現者の成長」を目撃する機会だった。

梅津先生は独立美術協会に出品されている作家で、(乱暴に分類すると)シュールレアリスム系の絵画を描かれる方なのだが、近作にはギョッとした。断層の絵のシリーズが描かれていて、どうしても1年前の大地震を想起してしまう。

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「烏(からす)のいる風景」(2010)


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「光る大地」(2010)

先生にうかがうと、「断層」は新潟沖地震を機会に主題として現れてきたという。(梅津先生は秋田県出身。)
そのほかの絵では、地面からオーラというか、エネルギーのようなものが吹き出ている「光る大地」(2010)という作品もあり、これがアニメ「伝説巨神イデオン」(1980)を思わせる描写なのだった。タイトルも、なんとなく富野由悠季っぽいセンスなのが、偶然とはいえ面白い。


作品図版は共同文化社刊「シリーズ[北の聲]1 梅津薫」より。(発売中)

ミシガン・シアター

3月に出品したアナーバー映画祭の会場写真を、プログラマーである映像作家・西川智也さんが送ってくれた。

50th AAFF 03s

50th AAFF 05s

50th AAFF 02s

会場のミシガン・シアターは、シカゴのミュージックボックス・シアター同様、昔ながらの映画館でなかなかいい雰囲気。

その後のムービースコープ(3)

MoviScop from Brian Staszel on Vimeo.


ムービースコープ情報を検索していて、ピッツバーグ(またしても!)のBrian Staszelという人のアップした動画にたどり着いた。アナログのフィルム編集についてのノスタルジーを語った映像だ。

普段、何も考えずにフツーにやっている作業だが、こうやって客観的に見るとずいぶん原始的なことをやってるなぁ…と驚いた。フィルムをビュワーに通したり、リワインドを回したり、フィルムを刃で切ったりテープで繋いだり。
Final Cutなどと比べると、映画の編集というのは身体を使うのだなぁ。というか、各カットを繋ぐということ自体に物理的な(つまりやり直しがきかない)プロセスがあり、その結果、それぞれが儀式的でもある。無意味から新たな意味を創り出すモンタージュなどは、呪術的ですらある。

その後のムービースコープ(2)

moviscopbulb01

検索していて面白かったのが、ボストン・コネクションという会社の商品サイトだ。「Moviscop Lamp」という文字にカーソルを合わせると、
「ムービースコープオーナーに警告!品切れ電球の残存品をバカバカしい値段で購入する代わりに、現用電球を使用できるように、弊社が改造、チューンナップを引き受けます!」
というメッセージが出ることだった。

アメリカでは必ずと言っていいほど、こういう問題に対処する人が出てくる。結果的に、古いテクノロジーも長生きできることになる。
サードパーティーと言えば今風だが、要するにユーザーも保証書とは関係なく、自由に、独自で、解決策を選択する。メーカーの作る製品は「素材」にしか過ぎないと感じることすらある。
反面、「画一化されたシステム」に違和感を持つ社会風土の延長線上に、国民健康保険や銃規制への戸惑いもある。要するに国民性だ。

伊藤隆介
映像作家/美術作家
Ryusuke Ito
Filmmaker/Artist
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