Realistic Virtuality: Ryusuke Ito

現実的な仮想性: 伊藤隆介/制作の周辺

月面を作る(1)

青森県立美術館での「ラブラブショー」も終わりに近づきましたが、blogではまだまだ制作途中です。
読んで下さってる方も飽きたでしょう。僕は飽きました。

さてその後、タテパン(ビデオカメラの動きを上下に振る)機構はどうなったのかについて書きます。(2009年11月23日のblog参照。)

tatepan11
これがタテパン機構と、ジオラマの台です。台形がカメラの画角で、この中に模型を展開していきます。
この作品のタイトルは「Realistic virtuality(Moonscape)」といい、月面の様子を再現します。

この作品のインスピレーションになったのは、二つのイメージです。
ひとつは、もちろん岡崎京子さんの短編「エイリアン」(1989「好き好き大嫌い」収録)。

loveloveshow71

僕らが子どもの頃ころ好きだった藤子不二雄さんの「ウメ星デンカ」(1968)へのオマージュでもあります。(僕はべニショーガという大臣が好きだった。)
1968年はアポロの月面到着の年。もちろん、そのころは「藤子・F・不二雄」とか「藤子不二雄(A)」いった作家は存在しませんでした。

loveloveshow72

もうひとつは、立ち読みした「TIME」か「NEWSWEEK」に掲載されていた記事。
アポロ16号の飛行士チャールズ・デュークが、月面に残してきた家族の写真です。なんとも切ない、アーサー・C・クラークのSF作品がそのまま現実化したようなエピソードですね。

この二つのイメージと、三内丸山遺跡が、(僕の中では)結びつきました。同じポエティックな意味を共有していると思えたからです。

↓NASAのHPから画像
http://history.nasa.gov/alsj/a16/AS16-117-18841.jpg

Trackback

Comment

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
伊藤隆介
映像作家/美術作家
ときどき評論執筆

Ryusuke Ito
Filmmaker/Artist
Part-time Critic
月別アーカイブ
記事検索
  • ライブドアブログ
Realistic Virtuality: Ryusuke Ito