
ギャリソン・キーラ(Garrison Keillor)は現存する創作者の中で、僕がもっとも尊敬する一人だ。Wikipediaにあたると、「作家、ストーリーテラー、諧謔家、コラムニスト、音楽家、風刺作家、ラジオパーソナリティー」とあり、どれもうなずける。
彼のラジオ番組「A Prairie Home Companion」は、1974年に始まったNPRのネットワークの人気番組。ドラマあり、詩あり、歌ありの音声のボードビルというか、やや格調の高い「8時だよ!全員集合」みたいな内容。(ちょっと違うか…。)
この番組は「American Radio Company」という名称だった時期もあるが、「ラジオ劇団」という名前がいい。時代遅れと思われていたメディアの仕事をまったく手抜きなく行い、…というか時代と逆行するように豪華になり、しかも滅法面白い。それを毎週放送しているというのがすごい。
「A Prairie Home Companion」はミネソタ州セント・ポール市のフィッツジェラルド劇場という所から、全米へ向けて2時間生放送されている。一時はニューヨークから放送していた時期もあったが、現在はまたミネソタから(あるいはツアー先から)世界に発信しているのが素晴らしいと思う。(といっても英語圏の国々だけど。)


大掛かりなライブのラジオショーをツアーしながら放送するというには、彼らなりの(あるいは彼らしか必要ない)ノウハウの蓄積があるのだろう。古いジャンルの楽しみを、サテライト中継などの新しいテクノロジーで更新していくというのは、アメリカ的な美しさがある。
この番組にとって、インターネットの時代になっても怖いものはないだろう。そもそもきちんとした仕事だ(し、そもそもこれ以上古くなりようがない)から、新しいテクノロジーを介した聴衆が増えるだけだ。
セント・ポールはミネアポリスから15kmくらい離れた町のようで、おそらくミネアポリスのベッドタウンだろう。ミネアポリスにはブルース・コナーの大回顧展を企画したWalker Art Centerもある。
ミネソタを訪れて、一生に一度はこのライブを見られたら…と願っている。