ギャリソン・キーラの番組の目玉は、キーラの一人語りによる「The News from Lake Wobegon(レイク・ウォビゴンからの便り)」というコーナーだ。
キーラの「故郷」だという、ミネソタ州のレイク・ウォビゴンという小さな町(実は架空の町)の日常を描く物語。この町の四季と、そこに住む普通の人たちの人間模様が、批評、ユーモア、ペーソスを交えて語られる。共感するというよりは、身につまされるようなエピソードが多い。
自作を語るキーラの声を聞くと、「ストーリーテラー」という人たちの存在について深く納得させられる。やはり「言葉」とは口から発せられるときに力を持つものなのだ、とも。とはいえ、これは単なる「朗読」とも、「詩のボクシング」といったけれん味とも違う。
彼のラジオ番組「A Prairie Home Companion」は、1974年に始まったNPRのネットワークの人気番組。ドラマあり、詩あり、歌ありの音声のボードビルというか、やや格調の高い「8時だよ!全員集合」みたいな内容。(ちょっと違うか…。)
この番組は「American Radio Company」という名称だった時期もあるが、「ラジオ劇団」という名前がいい。時代遅れと思われていたメディアの仕事をまったく手抜きなく行い、…というか時代と逆行するように豪華になり、しかも滅法面白い。それを毎週放送しているというのがすごい。
「A Prairie Home Companion」はミネソタ州セント・ポール市のフィッツジェラルド劇場という所から、全米へ向けて2時間生放送されている。一時はニューヨークから放送していた時期もあったが、現在はまたミネソタから(あるいはツアー先から)世界に発信しているのが素晴らしいと思う。(といっても英語圏の国々だけど。)
いまどき「200円」というのはすごいが、安いものには訳がある。
会場内には玩具コレクションや、時代背景を示すパネルなどが展示されているだけで、TV番組「サンダーバード」そのものとはあまり関係のないものばかり。これは、1966年ころの「サンダーバード」ブームの諸相を展示する催しだったのである。
ポスターをよく見れば、確かに「Thunderbirds in Japan!!」とある。とはいえ、キャプションは「日本上陸40周年記念企画」としかなく、これから内容を想像するのは難しい。まあ、「美空いばり」「大板血(おおいたち)」のたぐいと言っていいだろう。